昔の思い出

昔の思い出には、いい想い出もあれば、嫌な想い出もあります。

自分にとって昔の思い出で一番嫌な思い出は人を傷つけてしまった想い出でした。

小学校低学年の頃にバレンタインデーに手作りチョコをもらったことがあり、そのことがクラスに知れ渡り、感想を求められたクソガキの僕は、嬉しかった気持ちと裏腹に手作りチョコの味を「好みの味じゃなかった」と言ってしまいました。

その瞬間から、僕は周りの人たちから避難を浴びることになり、当然本人も少なからずショックを受けたんじゃないかと思います。
またそんなことを言ってしまった自分自身も非常にショックで、その子とはそれ以来会話をすることもなく何年も時が過ぎました。

そんな自分の嫌な思い出が、ある日、氷のように溶けることになりました。

それはその小学校のある同級生の葬式の日でした。


皆に愛された同級生の突然の訃報に、皆悲しみに打ちのめされながら集まりました。
その中にかつて傷つけてしまった子もいました。
葬儀後、その子との想い出を語り合うべく皆で居酒屋で飲みました。

お酒が進んだ頃、その日の特別な感情とお酒の力が混ざり、思い切ってその子に話しかけてみました。
そうするとその子はとても気さくに話をしてくれました。
まるで何も気に留めていないかのようでした。

そして当時の非礼を詫びることができました。

それにより、僕の心のなかで長いこと胸にあったしこりがすっきりとなくなりました。

これは亡くなってしまった同級生の最期の贈り物だったのではないかと思います。

何が言いたいかというと、
同じ世界に生き、同じ出来事を共有していても人によって感じる内容は全く異なるということ。そしてそれは時を経て、変形して留まることもあれば、風化して記憶から消え失せることもあるということです。

あんまり気にしない方がいいかも。

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