ビートルズ 赤盤青盤 2023リミックスがやばい

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ビートルズの「新曲」がリリースされて驚いている最中、さらに音源がリリースされました。ビートルズの赤盤青盤として知られるキャリアを総括するベスト盤、これの再ミックスバージョンとなります。

赤盤 青盤

これまでリマスターやら何やらは何度もリリースされてきているのでそんなに注目してなかったのですが、聞いてみたら驚くような音に生まれ変わっていました。

音を分解する「デミックス」

今回の音源を実現した仕組みとして、デミックスという技術があります。これは1つのトラックの中に複数の種類の音が混在している時に、それを別々に取り出す技術です。今までの技術でも特定の音域の音量を上げたり下げたりすることで、たとえばボーカルだけ聞こえないカラオケ音源みたいなものを作ったりすることが可能だったのですが、この場合、純粋にボーカルだけを取り出したわけではなく、同じ音域にある他の音も合わせて消失してしまったりして完全なものとはなりません。

これが最新のデジタル技術、AI・機械学習によってその音色の情報を解釈して取り出して描画することで完全なその音のみを抽出することができるようになりました。

これによって生まれたのが新曲の「ナウ・アンド・ゼン」です。この曲ではジョン・レノンがピアノで弾き語りして録音された音源からジョン・レノンのボーカルのみをキレイに抽出することができたため、それを使って曲をアレンジすることができたということです。この曲は青盤の最後のトラックに収録されています。

この技術を使い、過去のビートルズ曲の様々な音源を分解して再構築することで同じ音だけど全く違うサウンドが生まれました。

音の定位が違う

ビートルズの歴史はマルチトラックレコーディングの歴史とも言えますが、キャリアの初期から後期にかけて4トラックから8トラックへ進化していきます。
4トラック時代にはすべてのパートを別々に撮ってミックスすることができなかったため、ベース・ドラム・その他が1まとまりになって左耳の方から聞こえるみたいな配置だったりしました。これはこれでビートルズの味とも言えますし、むしろ1つの音の塊であるモノラル録音こそ至高だという派閥の人もいたりして若干ややこしいのですが、今回の作業ではこれをバラして再配置することでドラムはドラム、ベースはベース、ギターも複数本あるものは別の位置から聞こえ、目の前で演奏しているような臨場感が生まれました。これによってそれぞれの音の輪郭をはっきりと聞き取ることができます。
中にはこんな音あったっけ?と驚くような音が生き生きと鳴っていて驚かされます。

音の大きさ・バランスが違う

音が別々になったことでそれぞれの音のバランスを自由に変えることができるようになりました。これによってキックやベースが弱い印象だったのがガツンとパンチが効くようになったり、目立ちすぎていた音が控えめになることで別の音が聞こえてきたりという効果が生まれています。
例えるとCDで聞いていたのをライブで聴いたらまったく印象が変わったような感覚で印象が変わっており、音のバランスが現代の視聴環境や感覚に合わせられているので迫力が伝わりやすくなっています。

定位とバランス、この2つが大きく変更されているのはこの作業を行ったエンジニア・ディレクターの意図が入っているので、オリジナルメンバーが4人で撮った当時の意図とは必ずしも一致しない音色になっている面もあると思うのですが、これはこれで別の作品として楽しく聴くことができます。また最近のサウンドに親しんでいる若い人にも伝わりやすいものとなっているように思います。
視聴方法としてヘッドホンの方が定位やディテールがわかりやすくオススメです。

古い曲ほど生まれ変わっている

キャリアの前半が赤盤、後半が青盤になるのですが、前半の4トラック時代の曲の方が「弄り甲斐」があるということなのかこちらに2023版ミックスが多く施されています。そのため新鮮度は赤盤の方が大きくて楽しいです。

ビートルズの1stアルバムの1曲目として象徴的なこの曲の生まれ変わりっぷりには驚きですw こんなポロンポロンギター鳴ってたんだっていうw リズム隊が真ん中でどっしり音が鳴っているのでライブ版を聞いているかのような迫力があります。

この曲こんな格好よかったんだという驚きがそこかしこにあります。

それにしてもこんなものがサブスクでさらっとリリースされていつでも聴けてしまうとはすごい時代ですね。十数年前にはCD BOXをプレステくらいの値段で買ってたんですけどね。まぁその「プレステ」も今はすごい値段がするんですが(全く別の話)

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