映画「ゴジラ-1.0」レビュー(後半ネタバレ)

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公開2日目に見てきました。結論として期待通りの面白い映画でした。
名作シン・ゴジラから7年ぶりの国産ゴジラ映画。その間、ハリウッドゴジラが色々出ていてそこそこ面白かったり、うーんだったりした中、国産ゴジラへのハードルは高いものとなった昨今ですがそれに恥じないクオリティでした。

今回のゴジラは戦後まもなくの日本が舞台。「マイナスワン」の意味するところはすべてを失った戦後の日本に更に災難が来てマイナスになるという意味。ゴジラとの戦いには海がフィーチャーされており、山崎貴監督が「三丁目の夕日」で昭和の町並み、「アルキメデスの大戦」で海と戦艦、そして西武園ゆうえんちの「ゴジラ・ザ・ライド」で目の前に現れる体感的ゴジラという実績を総集結させたような作りとなっていて、この点は大成功しているように思います。VFXのコスト的にも効率よく作れてそうです。

今作は老若男女楽しめてファミリーでもデートでもいける映画なのでぜひ見に行ってください。ちなみにIMAXは「額縁」上映らしいので普通ので見ていいと思います。

ここから具体的に良かったところを語っていくにはネタバレになりそうなので、まだ見ていない方はここで一旦閉じて頂きたいと思います。

役者陣がすばらしい

主人公は神木隆之介。彼の役どころがまずハマりまくっていて、特攻隊になりながら嘘をついて逃げ出してしまうところ、典子(浜辺美波)さんを慕い慕われているのに結婚しようとしない煮えきらなさ、終盤プッツンしてしまってやけっぱちの行動に走ろうとする、でも結局しない。こうゆうキャラをやらせたら彼は天下一品だなと思いました。

そして彼を囲む仲間たちのキャラもとてもよい。特に佐々木蔵之介さんの江戸っ子兄貴キャラが最高。クライマックスにサプライズで現れた山田裕貴に対して
「恐れ入谷の鬼子母神(おそれいりやのきしもじん)!」
って言うんですが、これ江戸っ子だった私のおじいちゃんが昔よく言ってて、この人江戸っ子なんだなーと個人的な感慨に浸りました。

倒し方が理にかなっている

今回の作戦はヤシオリ作戦ではなくワダツミ(海神)作戦。この倒し方はとても良かったと思います。博士(吉岡秀隆)の説明もわかりやすかったですし。
ヤシオリ作戦の理屈は若干「んー?」って感じしましたが、こちらは物理的にわかりやすかった。山田裕貴率いる海船郡がいきなりロープ繋いだときどうやって繋いだん?って思いましたがw

展開は読めるが欲しいところに行く

ストーリーは全体としてよかったですね。前半も無駄なシーンが無く、後々の展開に必要なフリだけが積み重ねられる感じで、そしてそのフリに対して読めてしまう展開なんだけど期待通りに着地していくのが心地よかったです。「あーこれ脱出方法聞いてるやん」とか「あー典子ちゃん生きてるやん」とか読めてしまうんですけどね。
今作は戦争の映画ではなくあくまで「戦後」であるという割り切った描き方で、ゴジラと民の戦いということにフォーカスしたというところでしょうか。

人から見たミクロな目線のゴジラの迫力

冒頭の対峙ではちょっとスケールダウンした恐竜っぽいゴジラというのがポイントで、目の前にリアリティを感じられるスケールになっているのが旨いと思いました。一方で中盤からの木造のちっぽけな船を追いかけるゴジラがめっちゃでかくなってる!という対比もよく、機銃で立ち向かって機雷を打つというフィーチャーもとても楽しかった。
そして銀座に降臨したゴジラ。これひょっとして全部CGなんか?という町並みが展開されるが、ここではビルの上の報道陣のやり過ぎ感とか、宙に浮いた電車の中でぶらさがる浜辺美波とか、さすがにそりゃねーだろ感が気になってしまいましたがw
ここで満を持して流れるゴジラのテーマ、大変にアガりましたが、そのあと3回くらいかかってちょっと他も無いんか?と感じてしまいました。
それこそ作戦時にはシン・ゴジラで使われていた宇宙大戦争マーチを被せで使ってくれたら更にアガったんだけどな。

納得行かないところもある

ひとつ屋根の下、男女が暮らしててそうゆうことにならんのかい、という良く言えばピュアな関係なところだったり、銀座の典子ちゃんの元に行く神木どうやって見つけたんやというところだったり、最後のゴジラの熱線が放たれる直前に突っ込む神木くん、遅いよもう出ちゃうよ、だったり色々と気になるところはありました。しかし全体のストーリーの納得度の高さでそれを気にしないことにしました。

最後のあれはどうするん?

浜辺美波ちゃんの首筋にゴジラ菌みたいなのついちゃってたけどどうするんだろうね。このまま続編やってもちょっと失速してしまいそうな気がしますが期待せず待ちたいと思います。

シン・ゴジラのおかげで高くなりすぎた国産ゴジラのハードル、これを超えたというか良い意味で下げてくれた感じがあります。これに続いて山崎貴監督の他の作品も、他の監督のゴジラ映画も期待していきたいです。

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