私がデヴィッド・ボウイという存在を知ったのは、The Yellow Monkeyの吉井和哉さんが自身のルーツとして語っているのを聞いたのがきっかけで、いわゆるグラムロックというジャンルのアイコニックな存在として認識し、ポップで派手でわかりやすくて妖艶なロックというものにハマっていきました。
そこからBowieのキャリアを順に巡っていくと、音楽性がかなり変化していくことを知り、アメリカンだったり、レッツダンスし始めたり、やたらコンセプチュアルで難しい作品だったりに変化し、イエローモンキーが好きでその音楽性に直結しているグラムロックのボウイにハマった身としてはなかなかついていくのが難しいと感じていたなかで、「Hours…」という最新作が1999年にリリースされました。
聞いてみると、これは聞きたかったボウイの最新作だという嬉しさがあり、アルバムのライナーノーツには吉井和哉さんがとてもうれしそうに「泣いた」という感想を書いていて、そうだよなやっぱりこれだよなという共感を得たのでありました。
1 | Thursday’s Child |
2 | Something in the Air |
3 | Survive |
4 | If I’m Dreaming My Life |
5 | Seven |
6 | What’s Really Happening? |
7 | The Pretty Things Are Going to Hell |
8 | New Angels of Promise |
9 | Brilliant Adventure |
10 | The Dreamers |
1曲目からなんとも湿ったメランコリックな空気が漂っていて良いです。やっぱりブリティッシュ・ロックは湿ってないとという思いがあります。続く曲も明るいような暗いようなちょっと暗い曲が続き、5曲目のSevenまでが個人的にはハイライトな曲だと思います。
クリストファー・ノーランの「メメント」
そして同時もう一つ強く印象に残っているのがクリストファー・ノーラン監督の「メメント」という映画です。この作品はノーラン作品が広く知られることになった最初の作品で、当時シネクイントなどの単館上映だったのですが、話題になっていたので見に行ってきました。当時、高校生でしたが同級生からも作品名が挙がるくらいには話題になっていた記憶です。
この映画、かなりトリッキーな映画で「はて?」という感じで結末を迎え、そのエンドロールにこのアルバムの 2曲目のSomething in the Airが流れました。なんとも不穏な曲調があのエンドにドはまりしていて、大好きなボウイが最新の映画シーンに存在していることに感動を覚え、鮮烈な印象に残っています。
この映画も面白いのでボウイのアルバムと共に鑑賞頂きたいと思います。
当時の思い出としてはここまでなのですが、このSomething in the Airという曲は同時期に公開された「アメリカン・サイコ」という作品のエンドロールにも使われています。主演のクリスチャン・ベールはこのあとノーラン作品にたくさん出ることになり不思議なつながりと言えなくもありません。
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