The Yellow Monkey「Sparkle X (Complete Edition)」に思うところ

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今回はちょっと苦言を呈したいと思います。

The Yellow Monkeyの10枚目のアルバムである「Sparkle X」の「完全版」という位置づけの作品がリリースされました。

こちらの記事に書いた通り、「完全でない版」の方は最高な作品だと思うのですが、今回のComplete Editionには思うところがいくつかあります。

アルバムを2度出す

既におおかたの曲が入ったアルバムを販売したあとに重複する曲を多く含むアルバムを再度リリース、そういった売り方は昔からあるし、アイドル系の売り方の場合、もっとえげつないものがたくさんあることは承知していますが、ロックバンドとしてはどうなのか。初めからこれで出してくれよという思いは否めません。が、当時の制作はロビンの病気もあり困難が多かったようで、どうしてもまとめられなかった曲を追加したということのようです。

ドームライブの映像作品と抱き合わせ

映像作品は新規の作品なのでこれ自体が悪いということではないですが。そしてこちらの出来は最高のものでしたのでこれは別ということをお伝えしておきます。

ライブ当日の感想

で、私はどうしたかというと、未発表曲を聞きたい気持ちがあり迷いましたが予約はしませんでした。そうしたら、発売当日にサブスクにも同曲が配信されたではありませんか。なんだ、サブスク出るのか、と。もちろんCDという形、音質に拘る意味ではサブスクは代わりにならないという考えもありますが、CD買わないと聞けないと思っていた(特にサブスクに出るという告知はなかった)ので、このプロモーションの仕方にも疑問を感じました。

そして追加曲はどうなのか

ということでサブスクで聞く形で新曲を含む完全版を聞いたので、その内容に入っていきたいと思います。

考える煙

なるほど・・・ドームライブのオープニングでも使われていたらしいこの曲。改めて聞いてみると感想としては、まぁいいんじゃないでしょうかという。ロビンによるカホンの演奏から始まりますが、テクニカルには聞かせる感じではなく、その後のピアノ隊と不規則なリズム展開に、おって思う感じはありますが。そして良いなと思ったのはその後の「SHIN ON」が「待ってました」って感じのテンションで迎えることになるので、出囃子、引き立て役としては効果を発揮しているように思いました。
しかしSEの域を超えていないように思います。どうせ追加するなら曲が欲しいところ。Subjectiveの前のSong for~とかSparkの前のNAIとか、その曲があることで後の曲の聞こえ方も変わるような1曲が欲しかった。

ホテルニュートリノ(Alternate Mix)

すみません、これどこが変わりました・・・? ちゃんと聞き分けられてなくて申し訳ないですが違いがわかりませんでした。せっかくならドームで披露した「キー下げ版」を収録してほしかったがそれは無茶か。

Kozu

なるほどEMMA曲ですね。いい曲だとは思いましたし、聴き込むほどに好きになる曲な気はしました。が、この曲がここで入ったことで、アルバムの流れちょっと変わってしまったなというところが気になりました。オリジナルはドライフルーツ、Beaverとおとなしめの曲からのソナタの暗闇でグッと盛り上がるのが良いのだけど、この曲でやさしい曲が続いてしまって少しダレる感じが・・・
あとアルバム全体としてEMMAが強くなるなっていうのも少し。いや、エマ曲は好きなんですが、アルバムの中のスパイス、アクセントして作用するバランスがよいと思っているんですが、ちょっと比率が高いような。

オリジナル版の評で、「泣ける哀愁エモ曲の成分が足りない」と書いたのですが、そのピースがこの曲だったのかという感じもしましたが、個人的にはもっと哀愁がほしいんです。その成分を出せるのはやっぱり圧倒的にロビンのメロディーなんです。花吹雪とかHard RainとかRoute 69(ソロだけど)とか。
もしそのような曲が入っていたら評価が変わったかもしれません。

あとこの曲の読みは「こず」なのか「こーず」なのか「来ず」ってことなのか? 意味が分からないというといころもちょっと気になります。明確に意味のわからないタイトルってイエローモンキーにはあんまりなかったと思います。NAIとかDANDANは歌詞に何度も出てくるからまだわかるんですが。

DANDANと未来はみないで

いや、これは完全に蛇足ってやつでは・・・
もちろん好きな曲ですよ両曲とも。しかしアルバムの最後を〆る曲としては世界観が違いすぎます。「パンチドランカー」の〆にSo Youngを追加するだったら誰も文句は言わないと思いますが、

今回の2曲はこのアルバムよりだいぶ前に作られた2曲でトーンがかなり違うように思います。

この2曲はCD化していなかったから収録したと吉井さんが説明してまして、その思いは分かるっちゃ分かるのですが、アルバムの聞き方としてどうなんだろうと思ってしまいました。

アルバムにこだわるアーティスト

イエローモンキーは「アルバムで表現する世代」なんだと聞いていて私もそうだと思っていますが、最後におまけの曲を追加するのってどうなんでしょう。そのやり方自体は昔からイエローモンキーにも他のアーティストのアルバムにもよくあるやり方ではあります。

が、現在はサブスクの時代です。個別の曲はバラに配信してくれれば聞けるんです。アルバムに入ってしまうと必然的に復活の日のあとにDANDANが流れるわけですが、本来この作品が持っていた世界観、余韻といったものが崩れてしまっている気がしてなりません。
オリジナルでは復活の日のあと先頭のSHIN ONにリピートした時に違和感なく繋がって無限に聞き続けられる作りになっていたと思うんです。

私の考えるアルバムへの拘りとちょっと乖離を感じてしまったので、今回は率直に意見を書かせて頂きました。

推しについてあまり否定的なことを書いてネットに発表するのはどうなのか?と思うところもあるかもしれませんが、良くないと思った意見もしっかり言っていかないと健全なファンと推しの関係にならないのではないかと考えているので今回はこのように書いてます。

文句を色々言いましたが、Sparkle Xのツアーも行きます(チケットがほとんど取れなかったけど)し、先日のロッキンひたちなかは最高だったし、これからもファンを続けます!

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