映画「ジョーカー フォリ・ア・ドゥ」はつまらない?

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見てきました。事前に海外では酷評というニュースが入ってきており、いつもならスルーして様子を見るところでしたが、ジョーカーの前作は個人的にとてもハマっており、これは見ておかなければということで見てきました。
なるほどこれは確かに賛否両論になるよなという感じでしたが、個人的にどうだったかというと、それなりに楽しめたので感想を書いていきます。

ネタバレなし

まず今作のポイントは、前作と完全に地続きで前作見ている前提でないと楽しめないということ。しかし前作のような面白さを期待すると肩透かしになる可能性があるのが賛否両論の理由の一つ。

ミュージカル要素がありそこに乗れるかどうかが一つの分かれ目ですが、今回ハーレクイン役のレディー・ガガはそこに対して当然ながら圧倒的なパフォーマンスを発揮していてさすがでした。そしてホアキンもまた味わい深く。

そしてストーリー展開。ここにも賛否両論のポイントがあり、詳しくは後半で話しますが、個人的には結末はズシンと胸に響く余韻があり、また1から続くストーリーとして納得感も感じることができたので、一定の満足感がありました。ここも期待していた方向が違うと思われる方もいそうです。

フォリ・ア・ドゥという副題はフランス語で「二人狂い」という意味。1人の妄想がもう1人に伝搬していくというような意味合いでこれはこの作品全体を大きく言い表しているものなので、この意味は知ったうえで見るのがよいのかと思います。

ここからはネタバレ有りで話していきます。

ネタバレあり

ミュージカル部分について、なんだろう個々のパフォーマンスはすばらしかったのだけど、やや乱発されて飽きが来てしまった感じがありました。エンドクレジットでThat’s Lifeをレディー・ガガが歌うのが大団円だったわけですが、中盤にこの曲を割と垂れ流している感じがあって、なんかもう聞いてるって感じがしてしまったり。

ミュージカルシーンのほとんどが妄想ベースで進むところも少し厳しかった。豪華なセットでも全部妄想とわかりきってしまい、前作の「ひょっとしてこれは妄想なの?」というハラハラ感もなく、妄想は分かったからこのあと現実はどうなるの?と思ってしまいました。

その現実の展開、なにかもう少し驚くような展開が欲しかったのも正直なところ。裁判所が爆発するところ、これも驚きというよりまぁそうゆう展開もあるよね、っていうかないと始まらないよねって感じだったのですが、そこから結局監獄に戻ってしまう残念感。

しかしハーレクインに裏切られてしまうところ、あれはよかった。レディー・ガガのもう冷めてしまっている目と、それを見てうろたえるだけのなさけないおじさんホアキン。ちょっとキャラは違うけどルパンが「ふじこちゃーん」と言ってるかのようないたたまれなさ。

そしてまさかの最後の刺殺。これは衝撃的でありながらもジョーカー1から続く2の結末として、すごく納得感があり、深い余韻がありました。そこに高らかに流れるレディー・ガガの「That’s Life」。これもそれまで見てきたハーレクインをまた逸脱し「すべて喜劇」とあざ笑うかのような痛快さもあり。

あとは全体的に「そりゃないだろ」というガバガバなところは気になりました。警備ゆるすぎだろとか、裁判でなんでジョーカーのカッコできんねんとか。

歌については、前作の方がもっと効果的で印象に残った気もします。今作は「聖者の行進、歌いすぎじゃね?」と思ったり。

レディー・ガガとホアキンの演技は素晴らしかっただけに、何かもうちょっとないんか?という感じはありますが、かといって表に出てドンパチやり始めたらそれはそれで冷めるしなと思うと、落とし所としては納得感がありました。
前作のファン、つまりジョーカーの信奉者に対して冷水をぶっかけるような姿勢、しかしそれは2としてしっかり落とし前をつけてくれたように思いました。

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