私が最も敬愛するバンドThe Yellow Monkeyのベーシストであり、一番好きなベーシストがHEESEYこと廣瀬洋一さんであります。
彼のベースは歌うにメロディアスでゴリゴリと前に出るプレイスタイル。彼が幼少期にハマったKISSのジーン・シモンズから受け継ぐプレイスタイルであり、ギタリストの逆サイドのフロントに立ち、ゴリゴリにアピールをしながらプレイするスタイルです。
ベースギターのトレードマークはギブソンのサンダーバード。一般的にベースの種類でメジャーなのはジャズベ・プレベといった機種が定番なのに対してマイナーな立ち位置の機種です。このベースを使って有名な人、あまり見かけないのでもはやヒーセのシグネチャー機種と化しています。サウンド的にも癖が強いらしく、その事もあって他の楽器を使われるプレイヤーが多いようなのですが、その中で唯一無二のヒーセサウンドを奏でています。
プレイの技術は一級で、自ら教則本を出すほどです。といってもその教則本のコンセプトにも現れているようにロックスターとしてのベースプレイを追求されていて、純粋な技工のみを追求するというよりはパフォーマンスも含めたスタイルとなっています。
そんなヒーセを代表する曲の中で特に「歌うような」ベースラインが特徴の曲を紹介してみたいと思います。ヒーセのソロプロジェクトの作品もたくさんあるのですが、個人的にはイエローモンキーの作品が好きでその中からのチョイスとなります。
バラ色の日々
イエローモンキー ヒーセの代表曲といえばこの曲。インタビュー等でも「自分の持てる技術をすべて詰め込んだ」というようなことを言っていて、技術的な難易度が最も高い曲と言えるのではないでしょうか。この曲自体イエローモンキーの中でも最も人気の曲の一つですが、ヒーセのキャリアの中でも最も評価の高い曲と言えると思います。素人耳で聞いてもベースの音符が動きまくっていて、私が学生の頃バンドを組んでベースを弾いていた友達が「この曲の再現は無理w」とこぼしていました。
楽園
これもまた代表曲ですが、ベースが際立って印象的な1曲です。低温から高温までスライドしてブインブインと行き来するのが気持ちよく、これをライブで演奏するヒーセの立ち振舞もまた最高に格好いいのでライブ映像でぜひ見て欲しい一曲です。
Welcome to my Doghouse
バンドの最初期に作られた代表曲。この曲ではヒーセにとっては数少ないベースソロがあるというのが特徴です。最近のインタビューでどうやらヒーセは「ベースソロを曲の中に入れるのは好きではない」ということが判明したのですが、この曲では珍しくベースソロがあり、それがもう最高に格好いいのでこの曲はぜひ一度ライブで聞いて欲しい1曲です。
Tactics
この曲もヒーセが「歌うベースライン」の代表曲。ライブではヒーセのコーラスのシャウトも印象的で口の方でも歌っています。
So Young
この曲は以前、関ジャニの番組で語っていたことがあり、曲のアウトロにクイーンの「You’re My Best Friend」という曲のオマージュが仕込まれています。通常のコード進行では音が下がって終わるところを上がって終わることで独特の余韻が生まれています。
NAI
こちらもオマージュ系。この曲ではイントロのベースラインが、ルー・リードの「Walk on Wild Side」の影響を公言しています。それ以外のパートでも全体的に静かな曲調の中でヒーセの浮遊感のあるベースが際立って印象的です。このように、様々な洋楽のルーツを感じさせる多彩なベースプレイもヒーセの魅力の一つです。
ゴージャス
アルバムの中の1曲ですが、破壊力がありライブ映えのする1曲。ベースラインがずっと歌っていて格好良いのですが、2:55頃から入る「愛の剥製のコレクションか」のあとのサビへつなぐブリッジのリフがまた最高に格好いいのでぜひ聞いて下さい。
遥かな世界
初期のころのマイナーな1曲ですが、Aメロの部分でギターはシンプルにバッキングしているところにベースがずっと歌っていて、ヒーセのプレイに耳を預けることができます。こういったしっとりしたトーンの曲におけるヒーセの存在感も聞きどころの一つです。
Love Sauce
最後はヒーセの作曲した1曲を紹介します。イエローモンキーにおいてヒーセ作曲の楽曲は多くはないのですがその中の1曲です。サウンドはグラムロックテイスト全開、そして歌詞はめちゃくちゃエロい内容となっていて、イエローモンキーの妖艶な一面を堪能できる一曲です。
以上、ヒーセの印象的な曲です。ヒーセは表にグイグイ出てくるタイプのベースプレイヤーですが、あくまでイエローモンキーというバンドの楽曲をいかに引き立てるかという目線で曲作りがされていることが大切なポイント。イエローモンキーのサウンドに欠かせない存在の1人です。
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